愛実を出産してから、3年後…。

実咲は、2人目を妊娠していた。2人目も実咲が
1人で育てる決心はしていた。実咲の両親も
シングルマザーになることは反対はしなかった。

愛実は、前から兄弟が欲しいと言っていたので実咲は、
やっと愛実をお姉ちゃんに出来ることを喜んでいた。
実咲は、自分が妊娠していることを言おうかと考えたが、
お腹が大きくなって愛実が気付くまで内緒にすることにした。
つわりも思ったよりひどくなく、経過も順調だった。
それから3ヶ月後、無事に安定期に入り妊娠6ヶ月に入った。
お腹は日に日に大きくなった。

ある日、愛実と一緒にお風呂に入った時だった。
実咲は、愛実にこう話し掛けた。
「愛実に嬉しいお知らせがあるの」愛実「何?もしかして、
私お姉ちゃんになるの?」実咲「そうよ♪あと4ヶ月で
お姉ちゃんになれるんだよ!」と優しく微笑んだ。
愛実「やったぁ〜♪」楽しみと笑顔で言い、実咲のお腹を
優しく撫でてくれたのであった。

実咲は毎日のようにお腹を撫でたり、話し掛けたりした。
お腹の赤ちゃんはそれに応えるように元気よく動いた。
ある日の昼下がり、いつも行く公園に散歩に出掛けた。
その日はとてもいい天気で散歩日和だった。
木陰のベンチに座り、友達が来るのを待っていた。

それから10分後くらいに実咲の方に向かって
大きなお腹の女性が手を振って来た。
実咲は高校時代から友達の菜奈美が来るのを
待っていたのだった。菜奈美「実咲〜、お待たせ〜、
待った〜?」実咲「ううん、今来たところよ。愛実、
ママのお友達のなっちゃんだよ」愛実「こんにちは♪」
菜奈美「愛実ちゃん、大きくなったわね」菜奈美も実咲と
同じ時期に出産予定なのだ。予定日は、実咲と
1日違いなのであった。実咲「お腹の赤ちゃんは順調?」
菜奈美「とっても順調よ♪この頃、よく動くの」
実咲「私も順調よ」互いに大きくなったお腹を触り合い
2人は楽しそうに会話をしていた。
実咲のお腹はどんどん大きくなっていった。

それから4ヶ月後、実咲と菜奈美はいよいよ臨月を
迎えた。予定日も近くなり菜奈美はいつ産まれるか
ドキドキしていた。ある日の夜、菜奈美の陣痛が始まった。
その1時間後に実咲も陣痛が始まった。菜奈美は、
初めての出産で痛みに耐えながら、新しい命を
産み出そうとしていた。

すると、分娩室に元気な産声が響いた。
なっちゃんは元気な男の子を無事に出産したのだった。
なっちゃんは、産まれてきた子供に「翔太」と名付けたのであった。

その5分後に実咲も元気な女の子を出産した。
実咲となっちゃんは、産まれてきた我が子に
産まれてきてくれてありがとうと
優しく言い微笑んだのであった。


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